Softbank iPhone5cをdocomo SIMで運用する
余ったiPhone5cを活用する
au iPhone6sが今の私のメインスマホですが、6sの前はSoftbankのiPhone5cを利用していました。
諸事情により今回別のdocomo回線のSIMカードが余ったので、iPhone5cに挿入して運用してみたいと思います。
本来の契約上はXperia Z5 Compactで運用していたdocomo回線で、本体が手元になく現在SIMカードのみの状態です。
基本的に他社のSIMカードは利用することができない
当然ながら、SoftbankのiPhoneにそのままdocomoのSIMを挿入しても使うことはできません。多くのスマートフォンには他キャリアのSIMが使えないように"SIMロック"という制限がかかっているので、まずはそれを無効にする必要があります。
6s以降の3大キャリアのiPhoneであれば、購入から180日以上経過していることを条件にSIMロックを公式に解除してもらうことが出来ますが、残念ながらiPhone 5cはその対象になっていません。そのため、非公式の方法でSIMロックを解除することが必要です。
非公式の方法として、iPhone自体のSIMロックをサーバー側から解除する方法の"ファクトリーアンロック"という方法があります。これはiPhone本体には一切操作をすることなく、「このiPhoneはSIMフリーである」とサーバーに登録させる方法です。(どういう仕組みでそれが可能なのかは分かりませんが)
しかしファクトリーアンロックは費用が高額でiPhone5cだと安くでも1万円台のお金がかかります。本体自体が中古で1万円台で取引されているiPhone5cにそんな大金をかけることはできません。
SIMロックを解除するSIM下駄 "R-SIM 10+"
そこでSIMロックを解除するもう一つの方法として、SIM下駄と呼ばれるアイテムを利用する方法があります。これはSIMカードに重ねてiPhoneに挿入することによってSIMロックを無効化してしまう道具です。
ファクトリーアンロックに比べると費用が格安(1000円以下)であることがメリットですが、ネット上の評判をみると接続が不安定なことも多いようです。
今回は実験も兼ねて、一番評判の高いSIM下駄 R-SIM 10+を購入してみました。
実際に使ってみた
外観
こんな感じのパッケージで届きます。
このようにiPhone本体から取り外したSIMトレイに装着し、この上にSIMカードを乗せます。
使用方法
あくまで非公式の改造アイテム的な存在なので、公式の使い方というのは存在しません。インターネットで調べると、人によっていろいろと設定の仕方が違うようです。同じ設定でも人によって上手くいったり行かなかったりと、環境によってばらつきがあるようにも見受けられました。
ネットで検索して出てきた様々な方法を参考にしながら、私が試行錯誤して成功した方法を今回はご紹介したいと思います。
まずは初期準備として以下の設定を行いました。
- 設定→一般→リセット→ネットワーク設定をリセット(wifi接続情報など全て削除されるので注意!)
- Wi-Fiに接続し、APN設定をインストール
(キャリアによって異なります。私はdocomo回線なのでこちらの"APN設定:spmode.ne.jp Cellular Payload版(iOS9以降)")を使用しました。) - 設定→モバイルデータ通信→4Gをオンにする をオフ(データローミングはオンのまま)
- 設定→iCloud→サインアウト
- 設定→メッセージ→iMessageをオフ
- 設定→FaceTime→FaceTimeをオフ
- キャリア→自動をオフ→しばらく待ってNTT DOCOMOを選択
- Wi-Fiをオフにする
サイトによって色々な記述がありますが、あくまで私が数時間試行錯誤した上で安定して動作した設定です。環境によって変わる可能性はあります。
また、前提として用意するSIMは"圏外病"(詳しくは後述)に陥っていない必要があります。
以上の準備ができましたら、R-SIM10+を重ねたSIMをiPhone本体に挿入します。
すると以下の画面が表示されます。
今回はSoftbankの端末なので、"JP SoftBank"を選択します。
こちらは2番目の "TMSI.2G3G4G"を選択。
そして"M2(iOS8-iOS9)"を選択します。
すると、"Setup OK! Restart your iPhone 〜(略)〜"という英語のメッセージが表示され、下部に"キャンセル"、"了解"が表示されるので了解をタップします。(スクショは撮り忘れました。)
通常であればここでiPhoneを手動で再起動しますが、SIMトレイを数秒間だけ抜いて元に戻すだけの方も多いようです。私はどちらでも成功しましたので、ここは楽な方で良いと思います。
上手くいけばこのまましばらく待つと3G回線が繋がります。
圏外になったあとに繋がることもあるので、繋がらなくても2, 3分待ってみて下さい。
3Gが繋がったら、SMSが送受信できるか確認してみて下さい。
送信・受信の片方だけ出来なかったりもするので、両方試してみることをお勧めします。
私は受信はできても送信は出来なかったのですが、以下の設定をすることで解決しました。
- 電話から##5005*7672#3に発信
- 同様に**5005*7672*+81903101652#に発信(docomoの場合)
- 以下のような画面になるので了解を選択。
SMSが送受信できるようになりましたら、通話の発着信ができることを確認して設定は終了です。
4G運用に関しては今のところ色々試しても、定期的に圏外病を発症してしまうようなので今のところ安定性を重視して控えています。今後いろいろな設定で4Gを試してみたいところです。
陥りやすい症状
圏外病
これが一番陥りやすい症状ですが、電波が圏外になってしまって繋がらなくなる状態です。
下駄を使ったSIMカードは、「一度設定の誤りなどで圏外になってしまうと、本来なら動作するはずの環境下でも圏外になってしまう」という症状をよく発症します。これがいわゆる圏外病です。
例えるなら、SIMカードが「もうだめだ…」と自信をなくしてしまい、通信できるはずの環境でも通信をしなくなってしまっている状態といえます。
これを解決するためには、SIM下駄を使わずに本来のdocomo端末に挿入する、つまり正常な環境下で一度通信をおこなう必要があります。SIMカードに「やっぱりやればできる…!」という自信を取り戻させることですね。
やり方は簡単で、一度本来のdocomo端末(動作する端末であれば元々使っていたもので無くても良い)にSIMカードを挿入します。正常に通信ができることを確認し、SIMを抜いて完了です。
圏外病の厄介なところは、SIM下駄が使えない時にただ設定が間違っていて使えないのか、それとも設定は正しいけれども圏外病を発症しているだけなのか区別がつきにくいところです。
そのため、上記の方法でR-SIMが利用できない時は
使えない→設定を変えて試してみる という方法では正しい設定をしても使えない可能性があります。
面倒ではありますが、
使えない→圏外病を治す手順を行う→設定を変えて試してみる という手順を踏むことが必要です。
データ通信ができない
これは実際に私が陥った症状です。
「データ通信機能を起動できませんでした PDP認証に失敗しました」というエラーメッセージが表示され、データ通信が全くできない状態です。
私は2時間程度この症状と格闘したのちに解決することができました。
解決のポイントとしては、
・ネットワーク設定をリセットすること
・正しいAPN設定をインストールすること
の2点です。
最初私は上で紹介したこちら(http://www.simlibre.net/profiledownload/)のサイトから、”APN設定 mopera U Cellular Payload版(iOS9以降)” をインストールしましたが、何度やっても上記のエラーが表示され、データ通信ができませんでした。
そこで、"APN設定:spmode.ne.jp Cellular Payload版(iOS9以降)"の方を使用したところエラーが解消されました。 ネット上の情報を調べてみると、docomoの契約内容によってどちらのAPN設定を使うべきかが変わるようなので、上手くいかない方は両方試してみると良いかもしれません。
電話の発着信ができない
私は当初、電話の発信はできるが着信ができないという症状に悩んでおりましたが、APN設定とSMSの設定を正しく行うことで解決しました。
原因はわかりませんが、他の問題に関連していた可能性が高いです。
SMSの送受信ができない
SMSに関しても、送信はできるが受信はできない、または受信はできるが送信はできないという2つの症状が発生しました。
こちらもAPNの設定を正しく行い、上記のSMSの設定を行うことで解決することができました。SMSの設定は1度では上手くいかなかったので何度か試した方がいいかもしれません。
結局4Gは使えず
いろいろ上手くいったかのように書いていますが、とりあえず3Gが普通に使えるようになるまで3日間くらいは苦悩しました。それでも4Gをオンにすると、繋がることはあるものの圏外になったり不安定になってしまいます。
3日間かけてやっと安定した3Gをまた圏外病に戻す勇気はないので、しばらくは3Gで安定運用させたいと思いますが、余裕がでてきたら4Gで安定できるようにいろいろ試してみたいです。